【基礎講座】権利関係

宅建試験の勉強を進める中で、多くの受験生が最初につまずくのが「権利関係(民法など)」の分野です。「法律用語が難しくて頭に入らない」「問題文が長くて、誰が誰に何を請求しているのか分からなくなる」と悩んでいませんか?

この記事では、宅建試験における権利関係の全体像と効率的な勉強法、そして各頻出テーマの攻略ポイントを徹底解説します。

宅建試験における「権利関係」とは?

宅建試験における「権利関係」とは、主に民法、借地借家法、不動産登記法、区分所有法といった法律から出題される分野を指します。

全50問の試験のうち、**権利関係からは13~14問も出題されます。**宅建業法(20問)に次ぐウエイトを占めており、ここを避けて合格することは不可能です。

宅建業法や法令上の制限が「ルール(数字や条件)の暗記」の色合いが強いのに対し、権利関係は**「論理的思考力」**が問われます。「AさんがBさんに土地を売ったが、実はCさんにも売っていた。この場合、誰が土地の所有権を主張できるのか?」といった、具体的なトラブル事例を解決する力が求められるのです。

権利関係の効率的な勉強法

権利関係を暗記だけで乗り切ろうとすると、少し事例をひねられただけで正解できなくなります。法律の実務家も実践している、以下の3つの勉強法を取り入れてみてください。

  • 必ず「図解」を書く癖をつける
    問題文を読んだら、頭の中だけで考えず、必ず問題用紙の余白に図を書きましょう。 「A(売主)→ B(買主)」のように矢印を引き、そこに「詐欺」「無権代理」などのキーワードをメモします。当事者が3人以上出てくる問題では、図解なしで正解にたどり着くのは困難です。
  • 「原則」と「例外」の構造を意識する
    法律には必ず「原則」があり、その後に「例外」が用意されています。 例えば、「契約は取り消せる(原則)。しかし、事情を知らない第三者(善意無過失の第三者)には取り消しを主張できない(例外)」といった構造です。この原則と例外のセットを意識すると、知識が整理されやすくなります。
  • 深入りしすぎず「頻出の過去問」に絞る
    あなたは弁護士や司法書士の試験を受けるわけではありません。民法は非常に奥が深いため、難問や奇問に時間を奪われるのは禁物です。毎年繰り返し問われる「超・頻出テーマ」の過去問を確実に解けるようにすることが、合格への最短ルートです。

【分野別】権利関係の頻出テーマと攻略ポイント

ここからは、権利関係で絶対に押さえておくべき頻出テーマの概要を解説します。

意思表示・代理

契約の土台となるルールです。「勘違い(錯誤)」や「騙された(詐欺)」場合に契約をどうなかったことにするのか、また、頼まれてもいないのに勝手に契約を結んでしまう「無権代理」などがよく問われます。
▼ポイント: 本人・代理人・相手方という三者の関係性と、「誰に効果が帰属する(責任を負う)のか」を図で整理しましょう。

第1問(虚偽表示と第三者) AとBが通謀してA所有の土地をBに売却したと仮装した。Bがその土地を善意のCに売却した場合、AはCに対して土地の返還を求めることができる。


第2問(錯誤取消しの要件) 錯誤による意思表示の取消しは、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときに限り、主張することができる。


第3問(詐欺と第三者) AがBの詐欺により土地を売却する契約を結んだ後、Bがその土地を悪意のCに転売した。Aは詐欺を理由に契約を取り消して、Cから土地を取り戻すことができる。


第4問(強迫と第三者) 強迫によって意思表示をした者は、その強迫による意思表示を取り消すことができるが、その取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。


第5問(心裡留保の原則) Aが冗談で「自分の車を無償で譲る」とBに言った場合、Bがそれが冗談であることを知らなかったとしても、この意思表示は原則として無効となる。


第6問(錯誤と表意者の重過失) 表意者に重大な過失があった場合でも、相手方が表意者の錯誤を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、表意者は錯誤による取消しを主張できる。


第7問(第三者の詐欺) Aが第三者Cの詐欺によりBと売買契約を結んだ場合、Aは、相手方Bがその詐欺の事実を知っていたか、又は知ることができたときに限り、その契約を取り消すことができる。


第8問(無効と取消しの違い) 無効な行為は、後から追認することによって初めから有効な行為となるが、取り消すことができる行為は、取り消されるまでは有効なものとして扱われる。


第9問(意思表示の効力発生時期) 隔地者に対する意思表示は、その通知を発信した時からその効力を生ずるのが原則である。


第10問(契約の成立時期) 売買契約は、当事者の一方が申込みの意思表示をし、相手方がこれに対して承諾の意思表示をした時に成立し、必ずしも書面を作成する必要はない。


第1問(詐術を用いた場合) 【問題】未成年者が法定代理人の同意を得ていないにもかかわらず、同意を得ていると相手方を信じさせるために詐術を用いた場合、その未成年者は当該行為を取り消すことができない。


第2問(成年被後見人と日用品の購入) 【問題】成年被後見人が行った日用品の購入その他日常生活に関する行為についても、成年後見人はこれを取り消すことができる。


第3問(被保佐人の不動産売却) 【問題】被保佐人が、自己所有の土地を売却する場合、保佐人の同意を得ずに行った売買契約は取り消すことができる。


第4問(被補助人と同意を要する行為) 【問題】被補助人は、すべての法律行為について補助人の同意を得なければならず、同意を得ずに行った行為は取り消すことができる。


第5問(成年被後見人と同意権) 成年被後見人が、成年後見人の事前の同意を得て不動産を売却する契約を締結した場合、この契約は有効であり取り消すことはできない。


第6問(未成年者が単独でできる行為) 未成年者が、法定代理人の同意を得ずに、負担のない贈与を受ける契約を締結した場合、法定代理人はその契約を取り消すことができる。


第7問(能力者となった本人への催告) 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が能力者となった後に、1ヶ月以上の期間を定めて追認するかどうか催告した場合、その期間内に確答がなければ「取消し」をしたものとみなされる。


第8問(法定代理人への催告) 相手方が、未成年者の法定代理人に対して、1ヶ月以上の期間を定めて追認するかどうかを催告し、その期間内に確答を発しなかった場合、その行為は追認したものとみなされる。


第9問(取消しと第三者の関係) 制限行為能力を理由に売買契約を取り消した場合、その取消しは、事情を知らずに物件を買い受けた善意無過失の第三者に対しては対抗することができない。


第10問(営業を許可された未成年者) 一種または数種の営業を許された未成年者は、その営業に関する行為については成年者と同一の行為能力を有するため、単独で有効に契約を締結できる。


第1問(取得時効の要件) 【問題】AがB所有の土地を、自己の所有物と過失なく信じて占有を始めた場合、平穏かつ公然に10年間占有を継続すれば、Aはその土地の所有権を時効取得できる。


第2問(占有の承継) 【問題】Aが悪意で15年占有した土地を相続したBが、善意無過失で5年占有した場合、Bは前主Aの占有を併せて主張することで、20年の取得時効を援用できる。


第3問(債権の消滅時効期間) 【問題】債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。


第4問(時効の利益の放棄) 【問題】時効の利益は、あらかじめ放棄しておくことができるため、金銭消費貸借契約の締結時に「借主は消滅時効の利益を放棄する」旨の特約を定めれば有効である。


第5問(承認による時効の更新) 【問題】債務者が消滅時効の完成前に債権者に対して利息の支払いや債務の一部弁済を行った場合、債務の「承認」にあたり、そこから新たに時効期間の進行が始まる。


第6問(催告による時効の完成猶予) 【問題】債権者が内容証明郵便で債務の履行を求める「催告」をした場合、その時から6ヶ月間は時効の完成が猶予されるが、猶予期間中に再度催告をすれば、さらに6ヶ月間猶予される。


第7問(時効完成後の承認) 【問題】時効が完成していることを知らずに債務の承認(一部弁済など)をした場合、債務者はその後、時効の完成を主張して債務を免れることはできない。


第8問(時効の援用権者) 【問題】借金をした主債務者の時効が完成した場合でも、連帯保証人や物上保証人は、自らその消滅時効を援用することはできない。


第9問(取得時効の対象) 【問題】取得時効の対象となる財産権は所有権に限られるため、地上権や地役権などの所有権以外の財産権を時効によって取得することはできない。


第10問(所有権の消滅時効) 【問題】所有権は、権利者がその権利を行使しない状態が20年間継続した場合には、消滅時効にかかり消滅する。


第1問(取得時効の要件) 【問題】AがB所有の土地を、自己の所有物と過失なく信じて占有を始めた場合、平穏かつ公然に10年間占有を継続すれば、Aはその土地の所有権を時効取得できる。


第2問(占有の承継) 【問題】Aが悪意で15年占有した土地を相続したBが、善意無過失で5年占有した場合、Bは前主Aの占有を併せて主張することで、20年の取得時効を援用できる。


第3問(債権の消滅時効期間) 【問題】債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。


第4問(時効の利益の放棄) 【問題】時効の利益は、あらかじめ放棄しておくことができるため、金銭消費貸借契約の締結時に「借主は消滅時効の利益を放棄する」旨の特約を定めれば有効である。


第5問(承認による時効の更新) 【問題】債務者が消滅時効の完成前に債権者に対して利息の支払いや債務の一部弁済を行った場合、債務の「承認」にあたり、そこから新たに時効期間の進行が始まる。


第6問(催告による時効の完成猶予) 【問題】債権者が内容証明郵便で債務の履行を求める「催告」をした場合、その時から6ヶ月間は時効の完成が猶予されるが、猶予期間中に再度催告をすれば、さらに6ヶ月間猶予される。


第7問(時効完成後の承認) 【問題】時効が完成していることを知らずに債務の承認(一部弁済など)をした場合、債務者はその後、時効の完成を主張して債務を免れることはできない。


第8問(時効の援用権者) 【問題】借金をした主債務者の時効が完成した場合でも、連帯保証人や物上保証人は、自らその消滅時効を援用することはできない。


第9問(取得時効の対象) 【問題】取得時効の対象となる財産権は所有権に限られるため、地上権や地役権などの所有権以外の財産権を時効によって取得することはできない。


第10問(所有権の消滅時効) 【問題】所有権は、権利者がその権利を行使しない状態が20年間継続した場合には、消滅時効にかかり消滅する。


弁済・債務不履行・解除・危険負担

本来の債務を履行することを弁済といいます。
債務不履行とは「約束の期日までに物件を引き渡さなかった」「引き渡し前に、落雷で建物が燃えてしまった」など、契約が思い通りに進まなかった場合ルールです。
▼ポイント: 損害賠償請求や契約解除ができるための条件(相手の過失の有無など)を正確に押さえることが重要です。

第1問(正当な利益を有する者の第三者弁済) 【問題】借金をしているAの保証人Bは、Aが「代わりに返済しないでくれ」と反対していても、Aの借金を代わりに弁済することができる。


第2問(正当な利益を有しない者の第三者弁済) 【問題】債務者の友人が債務者の代わりに借金を弁済する場合、債権者がその事実を知っていれば、債務者の意思に反していても有効な弁済となる。


第3問(受領権者としての外観を有する者への弁済) 【問題】債権者の代理人と称して偽造の委任状と印鑑を持参した者に対し、債務者が善意無過失で借金の返済をした場合、その弁済は無効となる。


第4問(代物弁済) 【問題】債務者が本来の借金100万円を返済する代わりに、債権者の承諾を得て時価80万円の車を引き渡した場合、借金全額が消滅したことにはならない。


第5問(弁済の提供) 【問題】債権者が予め受領を拒絶している場合であっても、債務者は現実に金銭を持参して弁済の提供をしなければ、債務不履行責任を免れることはできない。


第6問(受取証書の交付請求) 【問題】債務者は、弁済をするのと引き換えに債権者に対して受取証書(領収書)の交付を請求できるが、債権者がこれを拒んだ場合でも弁済を拒むことはできない。


第7問(債権証書の返還請求) 【問題】借金の全額を返済する債務者は、受取証書の交付だけでなく、借用書などの債権証書の返還についても弁済と同時履行を主張して返済を拒むことができる。


第8問(弁済の指定充当) 【問題】債務者が同じ債権者に対して複数の借金を負っている場合において、返済額がすべての借金を消滅させるのに足りないときは、まず債権者がどの借金に充当するかを指定できる。


第9問(元本・利息・費用の充当順序) 【問題】元本のほかに利息及び費用を支払うべき場合において、返済額がその全部を消滅させるのに足りないときは、元本、利息、費用の順に充当しなければならない。


第10問(弁済の場所) 【問題】特定物の引渡し以外の債務(金銭債務など)について、契約で弁済の場所を定めていない場合、債務者は債権者の現在の住所において弁済をしなければならない。


第1問(履行遅滞の時期) 【問題】確定期限のある債務については、債務者は、その期限が到来した時から遅滞の責任を負う。


第2問(損害賠償と帰責事由) 【問題】債務不履行に基づく損害賠償請求をする場合、債務者に帰責事由(故意・過失)がない場合でも、債権者は損害賠償を請求することができる。


第3問(原始的不能と損害賠償) 【問題】契約締結の時点で既に建物が焼失して引き渡しが不可能(原始的不能)であった場合、その契約は無効となるため、買主は損害賠償を請求できない。


第4問(金銭債務の特則) 【問題】金銭の支払いを目的とする債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができず、損害賠償責任を免れない。


第5問(特別損害の賠償) 【問題】債務不履行による損害賠償の範囲は通常生ずべき損害に限られ、特別の事情によって生じた損害については、当事者がその事情を予見すべきであったとしても請求できない。


第6問(危険負担の原則) 【問題】建物の売買契約締結後、引渡し前に落雷によって建物が全焼した場合、買主は建物の代金の支払いを拒絶することができる。


第7問(引渡しによる危険の移転) 【問題】売買契約の目的物である建物が買主に引き渡された後に、台風によって全壊した場合、買主は代金の支払いを拒絶することができる。


第8問(債権者の帰責事由と危険負担) 【問題】建物の売買契約締結後、買主の過失による火災で建物が焼失した場合であっても、買主は代金の支払いを拒絶することができる。


第9問(危険負担と契約解除) 【問題】引渡し前に売主・買主双方の責めに帰すことができない事由により目的物が滅失した場合、買主は代金の支払いを拒絶できるだけであり、契約の解除はできない。


第10問(代償請求権) 【問題】売主が建物を第三者に二重譲渡して引渡しを完了し、買主に対する債務が履行不能となった場合、買主は売主が第三者から得た売却代金の引渡しを請求することができる。


第1問(買主の追完請求権) 引き渡された目的物が種類や品質に関して契約の内容に適合しない場合、買主は売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し、又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。


第2問(売主による追完方法の変更) 買主が履行の追完を請求した場合、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときに限り、買主が請求した方法とは異なる方法による履行の追完をすることができる。


第3問(代金減額請求の要件) 引き渡された目的物が契約の内容に適合しない場合、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に追完がないときでも、買主は代金の減額を請求することはできない。


第4問(買主の帰責事由と権利行使) 目的物の不適合が、買主の責めに帰すべき事由によって生じたものである場合であっても、買主は売主に対して履行の追完の請求や代金の減額の請求をすることができる。


第5問(種類・品質の不適合の通知期間) 買主が目的物の種類又は品質に関する不適合を理由に売主の責任を追及する場合、買主は、その不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければならない。


第6問(売主が悪意等の場合の期間制限) 売主が引渡しの時に、目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを知っていた場合であっても、買主は不適合を知った時から1年以内に通知をしなければ権利を失う。


第7問(数量・権利の不適合の期間制限) 目的物の数量が不足していたことによる不適合について売主の責任を追及する場合、買主は、種類や品質の不適合と同様に、その不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければならない。


第8問(損害賠償請求との併用) 買主は、契約不適合を理由とする代金減額請求を行った場合、それと併せて債務不履行を理由とする損害賠償の請求をすることは一切できない。


第9問(軽微な不適合と契約解除) 目的物の不適合を理由に契約の解除をするためには、その不適合が、契約及び取引上の社会通念に照らして軽微なものであってはならない。


第10問(無催告での代金減額請求) 買主が売主に対して追完の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求できるケースとして、履行の追完が不能である場合や、売主が明確に追完を拒絶した場合がある。


物権変動・不動産登記

「1つの土地を、2人の人に売ってしまった(二重譲渡)」というトラブルで、どちらが真の所有者になるのかを決めるルールです。
▼ポイント: キーワードは「対抗要件(=第三者に自分の権利を主張するための条件)」です。不動産の場合は原則として「先に登記を備えた方」が勝ちます。

第1問(対抗要件の原則と二重譲渡) AがBに土地を売却し、その後Cにも同じ土地を売却した。CがAから所有権移転登記を備えた場合、Bは登記がなければCに対して所有権を主張できない。


第2問(無権利者に対する対抗) A所有の土地について、Bが勝手に自己名義に登記を移した。Aは、自己名義の登記がなくても、Bに対して土地の所有権を主張することができる。


第3問(背信的悪意者に対する対抗) AがBに土地を売却したが未登記であることに乗じ、CがBに高値で売りつける目的でAからその土地を買い受けて登記を備えた。Bは登記がなくてもCに所有権を主張できる。


第4問(詐欺による取消しと登記) AがBの詐欺により土地を売却し登記も移転したが、後日Aが契約を取り消した。その後、Bが事情を知らないCに土地を転売して登記を移した場合、Aは登記なくしてCに所有権を主張できる。


第5問(契約解除と登記) AがBに土地を売却し引き渡したが、Bが代金を払わないためAは契約を解除した。解除「前」にBから土地を買い受けて登記を備えていたCに対し、Aは所有権を主張できる。


第6問(時効完成前の第三者) AがBの土地を占有し、取得時効が完成する「前」に、BがCへ土地を売却してCが登記を備えた。その後時効が完成した場合、Aは登記がなくてもCに時効取得を主張できる。


第7問(時効完成後の第三者) AがBの土地を占有し取得時効が完成した「後」に、BがCへ土地を売却しCが登記を備えた。Aは、登記がなくてもCに対して時効取得を主張することができる。

第8問(遺産分割と登記) Aの死亡によりBとCが土地を共同相続した後、遺産分割でBが単独で取得することになった。しかし登記前に、Cが自己の持分をDに売却してDが登記を備えた場合、BはDに自己の単独所有を主張できない。


第9問(相続放棄と登記) Aの死亡によりBとCが共同相続したが、Bは相続放棄をした。しかしBの債権者DがBの持分を差し押さえて登記を備えた場合、Cは登記がなくてもDに対して自己の単独所有を主張できる。


第10問(虚偽表示の無効と第三者) AがBと通謀して土地の仮装売買を行いB名義に登記した。その後Bが善意のCに土地を売却し登記を移した場合、Aは契約の無効を理由にCに対して土地の返還を請求できる。


第1問(表示に関する登記の申請義務) 新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1ヶ月以内に、建物の表題登記を申請しなければならない。


第2問(権利に関する登記の申請義務) 売買により土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1ヶ月以内に、所有権移転の登記を申請しなければならない。


第3問(共同申請の原則と例外) 権利に関する登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同して申請しなければならない。


第4問(相続による所有権移転登記の申請) 相続による土地の所有権移転登記は、共同申請の原則に従い、相続人と被相続人(又はその遺言執行者)が共同して申請しなければならない。


第5問(判決による登記の申請) 登記義務者が登記の申請に協力しない場合であっても、登記を命ずる確定判決を得たときは、登記権利者は単独で当該登記を申請することができる。


第6問(仮登記の単独申請) 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾がある場合であっても、仮登記権利者が単独で申請することはできず、常に共同申請によらなければならない。


第7問(所有権保存登記の申請人) 表題部所有者から建物を買い受けた者は、自己を申請人として直接当該建物の所有権保存登記を申請することができる。


第8問(登記名義人の氏名等の変更登記) 所有権の登記名義人が住所を移転した場合、その住所の変更の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。


第9問(建物の滅失登記) 建物が火災により全部焼失した場合、建物の所有権の登記名義人は、その滅失の日から1ヶ月以内に、建物の滅失の登記を申請しなければならない。


第10問(登記識別情報の事前通知) 登記義務者が登記識別情報を提供することができない場合、登記官が事前通知を行い、申請内容が真実であることの申出があれば登記手続きを行うことができる。


抵当権・保証

住宅ローンを組む際に金融機関が設定する「抵当権」や、連帯保証人のルールです。
▼ポイント: 「法定地上権(土地と建物の所有者が変わってしまった場合に、建物を保護する仕組み)」は受験生が苦手とする分野ですが、要件を暗記すれば確実に得点源になります。


第1問(抵当権の目的物) 抵当権は、不動産のほか、地上権や永小作権を目的として設定することができるが、賃借権を目的として設定することはできない。


第2問(付加一体物への効力) 建物の抵当権の効力は、原則として、抵当権設定後にその建物に付加された増築部分や、建物に附属する従物には及ばない。


第3問(果実への効力と物上代位) 抵当権者は、抵当不動産の賃料に対して常に物上代位権を行使することができるため、債務不履行の前後を問わず賃料を差し押さえることができる。


第4問(法定地上権の成立要件) 土地と建物が同一の所有者に属している状態で、土地のみに抵当権が設定され、実行により土地と建物の所有者が異なるに至った場合、法定地上権が成立する。


第5問(更地への抵当権設定と法定地上権) 更地に抵当権を設定した後、抵当権設定者がその土地の上に建物を建築した場合、抵当権が実行されると建物のために法定地上権が成立する。


第6問(一括競売) 更地に抵当権を設定した後に、設定者がその土地に建物を築造した場合、抵当権者は土地とともにその建物も一括して競売することができる。


第7問(抵当権消滅請求) 抵当権が設定されている不動産を買い受けた第三者は、抵当権者の請求を待つことなく、自ら相当と認める金額を提示して抵当権消滅請求をすることができる。


第8問(抵当権の順位変更) 同一の不動産について複数の抵当権が設定されている場合、各抵当権者は、他のすべての抵当権者の合意があれば、登記をしなくても順位を変更することができる。


第9問(抵当権に基づく妨害排除請求) 抵当不動産が不法占拠者により占有され、その不動産の交換価値が実現されないおそれがある場合、抵当権者は抵当権に基づいて妨害排除請求をすることができる。


第10問(根抵当権の極度額と優先弁済) 根抵当権者は、元本確定後において、極度額を限度として、元本だけでなく、それに対する利息や遅延損害金の全額について優先弁済を受けることができる。



第1問(保証契約の方式) 保証契約は、当事者の合意のみで成立する諾成契約であるため、口頭による合意であっても有効に成立する。


第2問(連帯保証人の抗弁権) 連帯保証人は、債権者から債務の履行を請求された場合、まずは主たる債務者に催告するよう求めることができる。


第3問(連帯保証人の分別の利益) 同一の主たる債務について、数人の連帯保証人がいる場合、各連帯保証人は頭数で平等の割合に分割された額についてのみ保証責任を負う。


第4問(保証債務の附従性) 主たる債務が消滅時効により消滅した場合、保証債務もこれに付従して消滅するため、保証人は債務を免れる。


第5問(連帯債務における相殺) 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有している場合において、その者が相殺を援用したときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅する。


第6問(連帯債務における免除) 債権者が連帯債務者の一人に対して債務の全額を免除した場合、他の連帯債務者の債務も全額消滅する。


第7問(連帯債務における時効の完成) 連帯債務者の一人について消滅時効が完成した場合、他の連帯債務者はその時効が完成した者の負担部分について債務を免れる。


第8問(連帯債務者の求償権) 連帯債務者の一人が自己の財産をもって債務の全額を弁済した場合、その者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償することができる。


第9問(個人根保証契約の極度額) 個人が保証人となる根保証契約(個人根保証契約)は、書面により極度額(上限額)を定めなければ、その効力を生じない。


第10問(主債務者の情報提供義務) 事業のために負担する債務を主たる債務とする保証契約を締結する場合、主債務者は、個人である保証人に対し、自己の財産や収支の状況等について情報を提供しなければならない。


相続

人が亡くなったときに、誰が、どれくらいの割合で財産を受け継ぐのか(法定相続人と法定相続分)、遺言にはどんな効力があるのかを学びます。
▼ポイント: 不動産取引において、売主が亡くなり相続が発生しているケースは日常茶飯事です。実務に直結する超重要知識として学びましょう。

第1問(配偶者と兄弟姉妹の法定相続分) Aが死亡し、Aの妻BとAの兄Cが相続人となる場合、Bの法定相続分は4分の3、Cの法定相続分は4分の1である。


第2問(相続放棄と代襲相続) Aが死亡し、Aの子BがAの死亡より前に死亡していた場合、Bの子CがBを代襲してAの相続人となるが、Bが相続放棄をしていた場合、Cは代襲相続することができない。


第3問(遺産分割の遡及効) 共同相続人間で遺産分割協議が成立した場合、その効力は相続開始の時にさかのぼって生じるため、分割により取得した財産は相続開始時から単独で所有していたものとみなされる。


第4問(単純承認とみなされる行為) 相続人が、相続開始の事実を知りながら、相続財産の一部を売却して自己の借金の返済に充てた場合、その相続人は単純承認をしたものとみなされる。


第5問(限定承認の要件) 共同相続の場合において限定承認をするには、相続人全員が共同して家庭裁判所に申述しなければならず、一人でも単純承認をした者がいるときは限定承認をすることができない。


第6問(自筆証書遺言の財産目録) 自筆証書によって遺言をするには、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないが、財産目録については自書でなくパソコン等で作成してもよい。


第7問(遺言の撤回とみなされる行為) Aが「甲土地をBに相続させる」旨の遺言をした後、生前に甲土地をCに売却して引き渡した場合、当該遺言は抵触する部分について撤回したものとみなされる。


第8問(遺留分侵害額の請求権の時効) 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。


第9問(配偶者居住権の成立要件) 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合、遺産分割協議等により配偶者居住権を取得することができる。


第10問(相続の放棄の撤回) 相続の放棄は、熟慮期間(自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月)内であれば、家庭裁判所に申述することによっていつでも撤回することができる。


借地借家法(特別法)

土地や建物を「借りる人」を強く保護するための法律で、民法よりも優先して適用されます。毎年必ず2問出題される最重要テーマです。
▼ポイント: 「普通」と「定期(更新がない)」の違い、存続期間などを比較表にして丸暗記してしまうのが最も効率的です。

第1問(借地権の存続期間) 借地権の存続期間を契約で20年と定めた場合、その定めは無効となり、借地権の存続期間は30年となる。


第2問(借地契約の更新期間) 借地権の最初の更新における存続期間は、当事者がこれより長い期間を定めた場合を除き、更新の日から10年となる。


第3問(更新拒絶の正当事由) 借地権設定者(地主)が借地契約の更新を拒絶するためには、遅滞なく異議を述べることに加えて、正当事由が必要である。


第4問(建物買取請求権の効力) 借地権の存続期間が満了し借地契約の更新がない場合、借地権者は地主に対し建物を時価で買い取るよう請求できるが、地主はこれを拒否することができる。


第5問(債務不履行と建物買取請求権) 借地権者が地代の支払いを怠ったことによる債務不履行を理由として借地契約が解除された場合、借地権者は建物買取請求権を行使することができない。


第6問(建物の滅失と借地権) 借地権の当初の存続期間中に、借地上の建物が火災等によって滅失した場合、借地権はそれに伴い消滅する。


第7問(一般定期借地権の方式) 存続期間を50年以上とする一般定期借地権を設定する場合、契約は必ず公正証書によって締結しなければならない。


第8問(事業用定期借地権の要件) 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする事業用定期借地権は、存続期間を10年以上50年未満として設定でき、必ず公正証書によって契約しなければならない。


第9問(借地権の譲渡許可) 借地権者が建物を第三者に譲渡しようとする場合において、地主が借地権の譲渡を承諾しないときは、借地権者は裁判所に対して地主の承諾に代わる許可を申し立てることができる。


第10問(借地権の対抗力) 借地権の登記がなくても、借地権者が借地上の建物について自己名義の所有権保存登記を備えていれば、その土地の新たな取得者に対して借地権を対抗することができる。


第1問(借家権の対抗要件) 建物の賃貸借において、賃借権の登記がなくても、建物の引渡しを受けていれば、その後その建物を取得した第三者に対して賃借権を対抗することができる。


第2問(存続期間と1年未満の契約) 建物の賃貸借契約において、存続期間を6ヶ月と定めた場合、その契約は無効となり、期間を1年と定めたものとみなされる。


第3問(更新拒絶の正当事由) 期間の定めがある建物の賃貸借において、賃貸人が更新を拒絶するためには、期間満了の1年前から6ヶ月前までに通知をすればよく、正当事由は不要である。


第4問(期間の定めのない契約の解約) 期間の定めのない建物の賃貸借において、賃貸人が解約の申入れをした場合、正当事由を備えていれば、解約の申入れの日から3ヶ月を経過することによって契約は終了する。


第5問(造作買取請求権の特約) 賃貸人の同意を得て建物に付加したエアコン等の造作について、賃貸借契約の終了時に賃借人が買取りを請求できない旨の特約は、賃借人に不利であるため無効となる。


第6問(賃料増減額請求権の特約) 建物の借賃が近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となった場合であっても、「一定期間は賃料を減額しない」旨の特約があるときは、賃借人は賃料の減額を請求できない。


第7問(定期建物賃貸借の契約方式) 定期建物賃貸借契約を締結する際、契約は公正証書による等書面によってしなければならないが、契約締結前の事前説明については口頭で行ってもよい。


第8問(定期建物賃貸借の中途解約) 床面積が200平方メートル未満の居住用建物に関する定期建物賃貸借契約において、転勤等のやむを得ない事情があれば、賃借人は中途解約の申入れをすることができる。


第9問(定期建物賃貸借の終了通知) 存続期間が1年以上の定期建物賃貸借において、賃貸人は、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に終了する旨の通知をしなければ、賃借人に契約の終了を対抗できない。


第10問(合意解除と転借人) 賃貸人が賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除した場合、賃貸人は、その旨を転借人に通知しなければ、転借人に対して建物の明渡しを請求することができない。


区分所有法・不動産登記法

分譲マンション特有のルール(専有部分と共用部分、集会での決議要件など)と、不動産登記簿の仕組みについてです。 ▼ポイント: 集会の決議要件(過半数、3/4以上、4/5以上)は、どの議題がどの割合に該当するのかを正確に暗記しましょう。

第1問(持分の処分) 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、自己の持分を第三者に譲渡したり、自己の持分に抵当権を設定したりすることはできない。


第2問(共有物の使用) 各共有者は、自己の持分の割合に応じて共有物の一部のみを使用することができ、共有物の全部を使用することはできない。


第3問(共有物の保存行為) 共有物の雨漏りの修繕や、不法占拠者に対する明渡請求など、共有物の保存行為については、各共有者が単独で行うことができる。


第4問(共有物の管理行為) 共有物を第三者に賃貸するなど、共有物の管理に関する事項は、共有者の人数の過半数で決定しなければならない。


第5問(共有物の変更行為) 共有物である土地に建物を新築したり、共有物全体を第三者に売却したりするなどの変更・処分行為は、共有者全員の同意がなければ行うことができない。


第6問(持分の放棄と相続人不在) 共有者の一人がその持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、その持分は国庫に帰属する。


第7問(共有物の管理費用の負担) 各共有者は、その持分に応じ管理費用を支払いその他共有物に関する負担を負うが、1年以内にその義務を履行しない場合、他の共有者は相当の償金を支払ってその者の持分を取得できる。


第8問(共有物の分割請求) 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができるが、当事者間の契約により、5年を超えない期間内であれば、分割をしない旨の特約を結ぶことができる。


第9問(所在等不明共有者がいる場合の変更) 共有者の中に所在が不明な者がいる場合、他の共有者は裁判所の決定を得たとしても、その者以外の共有者全員の同意で共有物に変更を加えることはできない。


第10問(共有物の管理者) 共有物の管理者は、共有者の持分の過半数で選任することができ、選任された管理者は、共有者の同意を得ることなく、共有物に変更を加えることができる。



第1問(専有部分と共用部分の分離処分) 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、その有する専有部分とその専有部分に係る共用部分の持分とを分離して処分することができる。


第2問(共用部分の登記) エントランスホールや階段室などの法定共用部分は、その旨を登記しなければ第三者に対抗できないが、管理員室などの規約共用部分は登記なくして第三者に対抗できる。


第3問(敷地利用権の分離処分) 区分所有者は、規約に別段の定めがある場合を除き、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。


第4問(管理者の資格) 区分所有者の集会において管理者を選任する場合、管理者は区分所有者の中から選任しなければならず、区分所有者以外の第三者を管理者に選任することはできない。


第5問(集会の招集通知の期間) 集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならないが、この期間は規約で伸縮することができる。


第6問(集会の普通決議) 集会の議事は、区分所有法又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。


第7問(共用部分の重大な変更決議) 共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴う重大な変更を行う場合、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要である。


第8問(規約の設定・変更・廃止) 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって行うが、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。


第9問(建替え決議の要件) 建物の建替え決議を行うには、集会において、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数による決議が必要であり、この要件は規約で緩和することができる。


第10問(専有部分の使用禁止請求) 区分所有者が建物の保存に有害な行為をした場合、他の区分所有者の全員は、集会において区分所有者及び議決権の各過半数の決議があれば、その者に対し専有部分の使用禁止を請求することができる。


その他重要項目

第1問(不法行為の消滅時効) 不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは時効により消滅するが、人の生命又は身体を害する不法行為については、この期間が5年間となる。


第2問(使用者責任と求償権) 被用者が事業の執行について第三者に損害を与え、使用者が被害者に対してその損害を賠償した場合、使用者は被用者に対して、賠償した損害の全額について求償することができる。


第3問(工作物責任) 土地の工作物の設置又は保存の瑕疵によって他人に損害を生じた場合、まずは工作物の所有者が損害賠償責任を負い、所有者が損害の発生を防止するため必要な注意をしていた場合に限り、占有者が責任を負う。


第4問(共同不法行為) 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えた場合、各加害者は被害者に対して、それぞれの過失割合に応じた損害賠償責任のみを負う。


第5問(不法行為における過失相殺) 不法行為において被害者にも過失があった場合、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、必ずこれを斟酌(考慮)して賠償額を減額しなければならない。



第1問(請負人の契約不適合責任) 請負人が引き渡した仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合、注文者は請負人に対し、目的物の修補、報酬の減額、契約の解除、又は損害賠償の請求をすることができる。


第2問(請負契約の注文者からの解除) 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して請負契約の解除をすることができる。


第3問(請負の報酬支払時期) 請負契約において、仕事の目的物の引渡しを要する場合、注文者は、仕事の完成と同時に報酬を支払わなければならない。


第4問(請負人の割合的報酬請求権) 請負人が仕事を完成する前に注文者の責めに帰することができない事由で完成不能となった場合、請負人は、既にした仕事の結果により注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求できる。


第5問(委任契約の性質と報酬) 委任契約は、当事者の合意のみで成立する諾成契約であり、原則として無償契約であるため、特約がなければ受任者は報酬を請求することができない。


第6問(受任者の注意義務) 無報酬で委任を受けた受任者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。


第7問(委任契約の解除) 委任契約は、各当事者がいつでもその解除をすることができるが、相手方に不利な時期に解除したときは、やむを得ない事由がある場合を除き、相手方の損害を賠償しなければならない。


第8問(復受任者の選任) 受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任して事務を処理させることができない。


第9問(委任の終了事由) 委任者又は受任者が死亡した場合のほか、委任者が破産手続開始の決定を受けた場合も、委任契約は終了する。


第10問(委任契約における費用前払請求権) 受任者は、委任事務を処理するのに費用を要するときは、委任者に対し、その費用の前払いを請求することができる。


第1問(譲渡制限特約の効力) 当事者間で譲渡を禁止する旨の特約がある債権が第三者に譲渡された場合、その譲受人が特約の存在を知っていたとしても、債権譲渡自体は有効である。


第2問(債務者に対する対抗要件) 債権を譲り受けた者が債務者に対して自己へ支払うよう主張するためには、譲受人から債務者に対して債権譲渡の通知をしなければならない。


第3問(第三者に対する対抗要件) 債権が二重に譲渡された場合、譲受人同士の優劣は、確定日付のある証書による通知が債務者に到達した日時の先後によって決まる。


第4問(債務者の抗弁の主張) 債務者は、債権譲渡の通知を受ける前に譲渡人に対して生じていた相殺などの事由をもって、譲受人に対抗することができる。


第5問(将来債権の譲渡) 債権譲渡の対象となる債権は、譲渡の時点で既に発生している必要があり、将来発生する予定の債権を譲渡することはできない。


第1問(囲繞地通行権の場所と方法) 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる。


第2問(分割等による無償通行権) 共有物の分割によって公道に通じない土地が生じた場合、その土地の所有者は、公道に至るために他の分割者の土地を無償で通行することができる。


第3問(越境した竹木の枝の切除) 隣地の竹木の枝が境界線を越えて自分の土地に侵入してきた場合、土地の所有者は、自らその枝を切り取ることができるのが原則である。


第4問(越境した竹木の根の切除) 隣地の竹木の根が境界線を越えて自分の土地に侵入してきた場合、土地の所有者は、隣地所有者の承諾を得ることなく、自らその根を切り取ることができる。


第5問(境界標の設置費用と測量費用) 隣接する土地の所有者は、共同の費用で境界標を設けることができるが、その設置費用及び測量費用は、常に折半して負担しなければならない。


代位、詐害行為、贈与、地役権、占有権、地上権

第1問(債権者代位権の行使要件) 債権者代位権を行使するためには、原則として自己の債権が履行期にある必要があるが、未登記の権利の登記など保存行為については履行期前でも代位行使できる。


第2問(代位行使の対象となる権利) 債権者は、債務者の有する慰謝料請求権など、債務者の一身に専属する権利であっても、自己の債権を保全するために代位行使することができる。


第3問(詐害行為取消権の行使方法) 詐害行為取消権は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを、裁判上または裁判外のどちらの方法でも請求することができる。


第4問(詐害行為取消権の被保全債権) 詐害行為取消権を行使するためには、保全されるべき債権が、詐害行為とみなされる行為の前に発生している必要がある。


第5問(書面によらない贈与の撤回) 書面によらない贈与契約は、各当事者がいつでも撤回することができるが、すでに履行が終わった部分については撤回することができない。


第6問(贈与者の引渡し義務) 贈与者は、特約がない限り、贈与の目的物である特定物について、引渡し時の現状のままで引き渡す義務を負い、瑕疵があっても原則として担保責任を負わない。


第7問(地役権の付従性) 地役権は、要役地(便益を受ける土地)から分離して、地役権のみを独立して第三者に譲渡したり、他の権利の目的にしたりすることはできない。


第8問(地役権の時効取得) 地役権は、継続的かつ表現のものに限らず、外形上認識できないものであっても、一定期間平穏かつ公然に行使すれば時効によって取得することができる。


第9問(承役地所有者の義務免除) 承役地(便益を提供する土地)の所有者は、いつでも地役権に必要な工作物の設置費用を負担し、かつ、その土地の所有権を地役権者に移転して義務を免れることができる。


第10問(占有回収の訴えの期間制限) 占有者が占有物を奪われた場合、占有回収の訴えを提起してその物の返還を請求することができるが、この訴えは占有を奪われた時から1年以内に提起しなければならない。


第11問(他主占有の意義) 占有者が他人の物を賃借して占有している場合、その占有は自主占有にあたり、所有の意思があるものと推定される。


第12問(占有保持と占有保全の訴え) 占有者がその占有を妨害される危険がある場合、占有保持の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。


第13問(地上権の成立要件) 地上権は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利であり、地代の支払いは地上権の成立要件である。


第14問(地上権の譲渡・担保化) 地上権者は、土地所有者の承諾を得ることなく、その権利を第三者に譲渡したり、地上権に抵当権を設定したりすることができる。


第15問(有償の地上権の放棄) 存続期間の定めのない地上権について、当事者が地代を支払う旨の約定をした場合でも、地上権者はいつでも権利を放棄することができる。


コラム:なぜ宅建実務において「権利関係」の知識が重要なのか?

宅建試験の勉強をしていると、「こんな細かい法律知識、合格したら忘れてもいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、弁護士の立場から言わせていただくと、**権利関係の知識は、実務においてあなたを守る最大の「防具」**になります。

不動産取引は動く金額が数千万円〜数億円と非常に大きく、少しのミスが致命的なトラブルに発展します。 例えば、重要事項説明(重説)において、抵当権の有無や私道の通行権(地役権)などについて説明を漏らしたり、誤った法解釈を伝えたりすれば、後日「説明義務違反」として多額の損害賠償を請求されるリスクがあります。

また、特約条項(契約書の備考欄に書く特別な約束事)を作成する際にも、「この特約は民法の強行法規(絶対守らなければならないルール)に反していないか?」を自ら判断できなければなりません。

権利関係の勉強は、単なる試験対策ではありません。「お客様に安全な取引を提供し、プロフェッショナルとしての信頼を築くための土台作り」なのです。ぜひ、実務で契約書を読み込む自分を想像しながら学習を進めてみてください。

まとめ:権利関係は「図解」と「過去問」で制覇しよう

権利関係(民法)は、最初はとっつきにくく感じるかもしれませんが、一度「法律的な考え方(リーガルマインド)」を身につけてしまえば、暗記量が少なくとも正解を導き出せるようになります。

  1. 常に図を書いて関係性を整理する
  2. 原則と例外を意識する
  3. 頻出の過去問を繰り返し解く

この3つを徹底し、権利関係を得点源に変えていきましょう!